君がすき



「ん?あれ、早瀬っちじゃない?」


俺の視線を追うようにして、まっつんも体育館の方を見る。

ちょうど、屋根で日陰になっているところ。

その地面に、早瀬が仰向けで寝転がっていた。



「……何してんだ、アイツ」



そう呟きながら、早瀬の方へ歩いていく。

まさか、倒れてるとかじゃねぇよな?



「……おい、チビ子。何してんだよ、こんなとこで」


「あれー?久富?……って、誰がチビよ!!」



早瀬はそう言うと、バッと勢いよく起き上がる。

どうやら、倒れていたわけではないようだ。


「三年が部活サボってていいのかよ?」


「誰がサボるか!今、試合形式の練習してるから、順番待ってるの!」


「あ、そーですか」


順番待ち中に、外で寝転がってるってのも、どうかと思うけど。



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