少女を拾いました。
『お兄ちゃん!!』~君の未来と君の笑顔~
俺と俺の妹…紫織の
最後の夏の物語―――
―――――…
――――…
―――…
俺たちの両親は紫織が5歳の時、
俺が高校に入った時に…
事故で死んだ…
突然のことすぎて
何も頭に入ってこなかった…
葬式の日…
周りの人はみんな…泣いてる…
目の前にはー…
昨日まで元気だった…
両親の姿…
「お兄ちゃん…ママとパパ…どうしたの?」
「…」
「何で…みんな泣いてるの?」
「…」
「お兄ちゃん?」
「………紫織…ママとパパはね…」
「…?」
「…俺たちには行けない…
遠い所に行ったんだ…」
その時…自然に涙が出てきた…
「お兄ちゃん…ママとパパには…
もう…会えないの?」
「…」
「紫織っ…ママとパパにっ…ヒック…
会いたいよぉぉ」
「紫織っ!!」
俺は紫織を抱き寄せた…
母さんが…俺に言っていた言葉…
『颯斗は男何だから!!紫織をちゃんと
守ってあげないと駄目よ!』
「…」
俺が…紫織を守んなきゃ!!
「………紫織…俺が…お前を…守るから…」
「……お兄ちゃん…?」
俺が全部背負ってくから…
母さんと父さんの分も…
紫織の悲しみも…
全部…全部…
「………紫織は…俺が守る…」