少女を拾いました。
――――――――…
~颯斗side~
俺は黙って里沙を…彩希を
抱き締めた…
「颯斗…」
里沙は…こんなに辛いことを
ずっと一人で抱えてたんだ…
「里沙…あ…彩希の方がいいのか?」
「……里沙…がいい…」
「……わかった…」
里沙は笑う楽しさを知らないって
言ってたけど…
違うんだ…
笑う楽しさを知らないだけじゃなくて
人からもらう愛の暖かさを知らない…
「…里沙…」
「…」
「………俺が里沙に愛をあげる…」
「………え…」
「…愛ってね…すごく暖かくて、
すごく幸せになれるんだよ…?」
「……………」
「…里沙?」
「…いらない…」
「…え…」
「……知ってる…愛してもらえる
暖かさなんて…」
「…」
「…でもね…その愛が偽りだとわかったら…
どんなに冷たいと思う?」
「…?」
「…もう、裏切られたくない…」
「…」
「もう、誰も失いたくない…」
「…」
「…だから…誰とも関わらない…
颯斗の優しさにも惑わされない…
私は一人で生きてくの…
愛なんていらない…
もらったって…最後には失ってしまう
んだから…それなら貰わない方がまし…」