GOGOあかずきんちゃん。
野花咲き誇る花畑の中をのんびりと歩いていると、前から大きな影が近づいてきます。
それを見た赤ずきんちゃんは、サッと頭巾のしたに手を忍ばせ、いつでも発砲できるように準備します。
その影は、赤ずきんちゃんの目の前に来ると、話しかけてきました。
「こんにちは、赤ずきんちゃん。これからどこへ行くんだい?」
(オオカミが私の予定を聞いてどうするつもりなのかしら。話しかけないで襲いかかってきたらすぐ撃ったのに。まぁどうせ後から襲うつもりなんでしょうけど。)
穏やかな口調ではありましたが、目のギラつきが隠しきれていないオオカミの魂胆など、赤ずきんちゃんにはバレバレです。
「これから森の奥にあるおばあちゃんの家にお見舞いに行くの。ここから15分くらいかしら。」
「それはとても良いことだね。おばあさんもきっと喜ぶ。お見舞いなら、ここの綺麗な花を摘んで持って行ってあげたらおばあさんはもっと喜ぶんじゃないかい?」
(その間におばあちゃんを食いに行くつもりね。時間稼ぎしようとしたってそうはいかないんだから。)
「あら、それはとてもいい案ね。でも、私一人じゃたくさんの花は摘めないわ。オオカミさんも手伝ってくれないかしら。」
「あー、いや、オレはこれから野暮用があってね。手伝いたいんだけど残念ながらいかなきゃいけないんだ。」
「あら、それは残念だわ。じゃあ、少しだけ摘んで行ってみるわ。良いアドバイスをありがとう。」
「良いってことよ。じゃ、ごゆっくり…」