腹黒王子と意地っぱりガールの場合。
SweEt‡HaLLowEen
──それは、とある日の、真夜中のこと。
自室のベッドですやすやと寝息をたてていたあかりは、突然耳に届いたメロディーに、意識を浮上させた。
聞き慣れたそれは、ケータイから発せられるメールの着信音にしているものだ。
「んん~……? 誰だぁこんな時間にぃ……」
そうは呟くものの、布団の中から右手を伸ばしてベッドボードのケータイを探す。
明るいディスプレイに目を細めながら、ぼやける頭で新着メールを開いた。
From┃隼人
Time┃10/31 00:00
Sub ┃(non title)
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Trick or Treat!
「何……これだけぇ……? しかも12時ぴったりとか……ふわぁ~もうだめだ眠いぃ……」
言うが早いか、彼女はケータイを握りしめたまま、再びまどろみの中に意識を手放した──……。