腹黒王子と意地っぱりガールの場合。
「──まぁったく、私がとなりのクラス行ってる間に何があったの? 聞いてもみんなぼーっとしたり笑ったりで、答えてくれないし」
「……南は知らなくていいよ」
2時間後。南に連れられ、あかりが保健室から出てきた。
休むどころかベッドで横になっても逆にうなされていたあかりは、憔悴しきった顔をしている。
そしてこれからまたあの頭のおかしいヤツのいる教室に行くのかと思うと、さらに体が重くなった。
「そーだあかり、これあげる」
「? なにー?」
南がポケットから何かを取り出し、あかりが促されるまま両手を差し出すと、手のひらに乗せられたのはイチゴみるくキャンディ。
するとあかりの表情が、先ほどまでよりパッと明るくなった。
「わぁい! 南ありがとー」
「どういたしまして。ほら、今日ハロウィーンだしね」
「……ハロウィーン……」
そっか、今日は10月31日。
指先でつまんだキャンディを見つめながら、彼女は考える。
「……南は知らなくていいよ」
2時間後。南に連れられ、あかりが保健室から出てきた。
休むどころかベッドで横になっても逆にうなされていたあかりは、憔悴しきった顔をしている。
そしてこれからまたあの頭のおかしいヤツのいる教室に行くのかと思うと、さらに体が重くなった。
「そーだあかり、これあげる」
「? なにー?」
南がポケットから何かを取り出し、あかりが促されるまま両手を差し出すと、手のひらに乗せられたのはイチゴみるくキャンディ。
するとあかりの表情が、先ほどまでよりパッと明るくなった。
「わぁい! 南ありがとー」
「どういたしまして。ほら、今日ハロウィーンだしね」
「……ハロウィーン……」
そっか、今日は10月31日。
指先でつまんだキャンディを見つめながら、彼女は考える。