腹黒王子と意地っぱりガールの場合。
……とまあ、冒頭の質問に至った経緯は明らかになったわけだけど。
けれども内心、あーあと明後日の方向を見つめたくなりながら、首の後ろに片手をまわした。
「うん、そー。まあ、よく聞く話だわな」
「……は、隼人のときは、どうだった? 初めては、レモン味だった?」
はい来た。純粋乙女東堂 あかりの、ウブなくせに、ウブだからこその、恥ずかしい質問。
面倒な展開になってきたな、と思いつつ、それはなるべく表に出さないように、オレはちょっとだけ、彼女から視線をずらす。
「さあなぁ。どうだったかなぁ、あんまり覚えてねぇなぁ」
「え、そういう記念みたいのって、ちゃんと覚えてるもんじゃないの? 覚えてないくらい、蓄積された場数があんの?」
「おま、オレの人間性が疑われるような発言サラッとすんなよ」
ふぅ、とひとつ息をついて。
先ほどまでよりちょっとだけ近い距離に立つあかりを、見下ろす。
けれども内心、あーあと明後日の方向を見つめたくなりながら、首の後ろに片手をまわした。
「うん、そー。まあ、よく聞く話だわな」
「……は、隼人のときは、どうだった? 初めては、レモン味だった?」
はい来た。純粋乙女東堂 あかりの、ウブなくせに、ウブだからこその、恥ずかしい質問。
面倒な展開になってきたな、と思いつつ、それはなるべく表に出さないように、オレはちょっとだけ、彼女から視線をずらす。
「さあなぁ。どうだったかなぁ、あんまり覚えてねぇなぁ」
「え、そういう記念みたいのって、ちゃんと覚えてるもんじゃないの? 覚えてないくらい、蓄積された場数があんの?」
「おま、オレの人間性が疑われるような発言サラッとすんなよ」
ふぅ、とひとつ息をついて。
先ほどまでよりちょっとだけ近い距離に立つあかりを、見下ろす。