腹黒王子と意地っぱりガールの場合。
「はぁ~……」



放課後の生徒会室。

となりに座るあかりの大きなため息を聞いて、1学年上でもうひとりの会計である橘 大和が声を掛けた。



「どうした東堂。疲れたか?」

「あ、いえ、それもまあありますけど……あのサディストヤローのことで」



そう言って、ちらりと後ろに視線をやる。

そこには、もう自分の仕事を終えたらしくソファで居眠りをしている隼人の姿が。

その様子がにくたらしくて、意識せずとも眉間にシワが寄ってしまう。



「あかりちゃんと隼人くんて、教室でもあんな感じなんだ?」



会話に入ってきたのは、大和と同じく1つ先輩の、生徒会書記藤沢 椿。

先ほどまでのふたりのやりとりを思い出したのか、苦笑しながら椿は言う。



「まあ、そうですね。……なんであんなのがモテるのか、あたしにはよくわかりません」



剣呑な視線を隼人に向けながらそう言ったあかりに、大和がえ、と声をもらした。
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