10年後のタイムカプセル
 「そういえば、千華といつも一緒にいる川村いなくないか?今日は来ないのか?」苦い沈黙に気づいていない和良が、のん気に質問してきた。俺と千華は口をつぐんだ。
「おい、拓也聞いているか?何で川村来ていないんだよ」
「うるさい。黙れよ」しつこい声に俺のきつい声が重なると、和良はびくりとした。
 窓の外から聞こえてくる蝉の声が、やけにうるさく耳に残った。
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