10年後のタイムカプセル
「それは、言えない」言い終えた後、冷や汗が首筋を撫でた。俺の返答に興味をなくしたのか、熱が冷めたように急に冷たい表情になった。
「頼む、吉原しか頼めないんだ」立ち去ろうとする彼女の肩を掴むと、彼女は乱暴に振り払った。
「何!?この数日間で友達になったつもり?都合の良い時に利用して、いい気になってんじゃないわよ」にらみつけると、機関銃のように言葉を放った。
「私、いつもあなたたち三人を見ていて、正直イライラしていたんだよね。目に付いて、仲良し友情ごっこを演じているあなたたちが、私大嫌いだった」
 彼女は言い終えると、走り去っていった。夕焼け色の空が、少し暗く変色していた。
彼女の言った言葉が、妙に心にずっしりのしかかるように感じた。
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