10年後のタイムカプセル
「おい、森山はどうしたんだ」その言葉に、覚えがあるようで岸田の瞳は大きく揺れた。
「先生、すみません。やっぱ、なんでもありません」岸田も川村同様、逃げていった。
 その後夏休みがあり、タイムカプセルのこともあった。夏休みが終わって、川村が独りでいる姿を見かけることが多くなった。
 結局タイムカプセルを埋めた日に、川村は来なかった。きっと何かあったのだろう。
 きっとそれは、今度の8月に明らかになるに違いない。私は、漠然と確信してした。
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