10年後のタイムカプセル
「違うよ。私。千華、お願い。話を聞いて」小さく震えた声が耳に入ってきた。
「許さない。もう私と口を利かないで。美加を見ているとイライラしてくるの。引っ込み思案で、私の後ろにいつもついてきて。はっきり言ってめざわりなのよ。あんたなんか、大嫌い」私は、怒りのあまり美加の頬を叩いた。
 叩いた手が赤く、痛かった。美香は目を見開き、地面に涙が零れ落ちた。そのまま黙って、逃げるように走っていった。
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