龍の花――龍希――








その瞬間を我々は見ることができませんでした

龍希様の歪んだ表情
悲しみ
絶望
憎悪

負の感情が渦巻くなかで




狂ってしまわれた旦那様が
自らの愛娘の手で…


事切れる


そんな悲しすぎる瞬間




けれど

お嬢様は目を見開いてしっかりと見ていらしたんです


自分が殺めた父の姿を




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