龍の花――龍希――
「ま…Masterぁ
助けて」
『おいおい雲雀に孔雀
もっと腰入れろよ
そんなんだといつまでたってもSNAKEに勝てねぇぞぉ』
「おーーーい
オレが何だってぇ?」
『あ゙?
おー
相変わらずの地獄耳ぃ』
まだ五歳位だったであろう雲雀、孔雀はその直前にオレが拾った捨て子たち
あの時のメンツはオレ&SHARK&SNAKE&TWINS
もともとSHARKしか近くに居なかったのに気付いたらSNAKEが後ろを着いてきていた
呑み込みが早く教え甲斐もあって
「「わぁあぁぁああぁあああっ」」
TWINSの大きな大きな叫び声が響いたと思ったら
二人の前には二人よりちょっぴり大きいだけの男の子
近付くにつれわかる血の臭い
彼の衣服はズタボロで至るところに煤が付き
イヤな記憶を呼び覚まされる様な吐き気がした
それに伴い、この子をこのままにしちゃいけないと
『どうした』
そう言った瞬間彼は視界から消えた
フラフラしているからてっきり倒れたのかと思いきや
彼は宙を舞っていた
吹っ飛ばされたとかじゃなくて
さも自分は空間の支配者だとでも言うように
優雅に…
一瞬で心を奪われるような
綺麗とは似て非なるモノが彼の動きから発されていた
目を奪われ心を奪われ
ただただ魅せられていた
一瞬だったのか長い間だったのかわからないが完全に思考停止に陥っていたのだろう
バキッ
ゴキッ
その音が聞こえて目を醒まして
漸(ようや)く事態に気付いた