龍の花――龍希――
『ふっ
オレにはお前も勝てねぇよ』
「「「「流石Master」」」」
なんか囃(はや)し立てられた…?
『実際裏で動いてんのはまだオレとSHARKだけだ
コイツらはまだ使えねぇよ』
それに何を感じ取ったか
SNAKEは少しキレ気味だったしTWINSはナゼか今にも泣いて謝りそうだったし
でもSHARKと琥亜は気付いたみたいだった
「お前…」
『で、琥亜…
おいで』
強がってもまだ10歳
何があったかは知らないが父親が殺されたコトは知っているだろう
泣きそうなのを隠せてない
気付いたのはオレと…
強いて言うならSNAKEか
そういう感情には敏感だから
怒ったようにオレの目の前に来た琥亜の腕を引っ張りオレの膝の上で腕の中に包み込んだ
「――なっ」
暴れようとする彼を力で胸に押さえ付ける
「――うっ」
別の意味で驚いた様にオレを見る
『ふっ
秘密な』
耳元でコソリと言うと小さく「お…おう」と返ってきた
カワイイ…
『琥亜
泣いて良いよ』
また小さく声を出すと琥亜はピクリと震えた
『大丈夫…だから
ね?』
「…な…んで」ヒック
そんな声がしてオレはSNAKEと目を合わせた
頷く様子を見るにどうやらわかったらしい
「孔雀、オレとパフェ食べに行こうぜ」
「ぱ…パフェっ?」
「そうだね孔雀っ行こうっ」
驚きと動揺が見られる孔雀を雲雀が引っ張って連れ出した
5歳児の力強し恐ろしw
「Master
では後程」
SHARKがそう言ってお辞儀をすると四人の気配は一瞬で遠くまで行ってしまった
後に残されたオレは琥亜を抱きながら落ち着くのを待っていた
「……なんで」
暫く続いた沈黙を破ったのは琥亜だった