龍の花――龍希――






――――――


「オレ、あの公園に居てくれたのが影龍で良かった
龍に会えて…
他の奴らも優しくしてくれたし…

龍には感謝してるんだ
本気で」

目に力を込めて言う琥亜はやはり惹き込まれる様な魅力があった

『あぁ
オレも琥亜に会えて良かった』

やはり同い年とは思えない幼さだけど、仕事をしてくれる琥亜は責任感もあって能力もあって
十分大人だ


「そんな龍にな
相談がある」

深刻そうに言うから緊張で喉がゴクリと動いた


――オレの親友にすげぇ大切なヤツがいるんだ

――本人は自覚ねぇんだけど周りは全員ソイツに魅せられてて

――ソイツさ、最近飯食わねぇし寝ねぇんだよ

――どうにかしねぇとソイツが死んじまいそうで

――怖ェんだ


なんとっ
想われてるヤツが居たもんだ

「みんなどうにかしたいって思ってんのに」

どうすりゃいい?


消え入りそうな声で言われ、ナゼか苦しく感じた

誰のコトを言いたいのか漸くわかった気がした

『きっとみんなの想いは届いてるよ
それにソイツもきっとテメェの限界ってモンを知ってる
大丈夫だ、琥亜』





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