龍の花――龍希――
――伝説――
そう呼ぶに相応しいハシリだった
傘下、同盟、況(ま)してや傘上なんていない
しかもたった50人程度しかいない
龍凰のハシリに
多くの名だたる暴走族が加わった
前日に決まったハシリなのに
龍凰のウワサが人を呼び
警察から身を隠す必要もない程に、追われるのを妨害するくらいの人が現れる
ヘッドライトには真っ青な光
青と赤のコントラスト――
幻想的なその風景に魅せられた者は多くいたことだろう
龍凰のシンボル
青龍
赤龍
その名の通り
龍の如く連なる
美しくも哀しげな光
『…よし、やるか』
龍希の言葉はその光に連動した様に輝きを漏らした