龍の花――龍希――




それを総して捉え
油断をしたらしい


後ろからの一撃は左にズレかわした後、左半回転続いて左足での踵落とし
両サイドから来た拳はそれを支えに高く翔び、その勢いで蹌踉(よろ)けた相手に手刀
回し蹴りして背負い投げからの背面踵落とし

美しい所作で相手の急所を確実に締め一瞬で意識を飛ばさせる彼女は
空の王、龍の如く空間を支配していく

『…喧嘩は素手
それが基本よ』




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