龍の花――龍希――





いつだったか
つい先日―――


希を近くの浜で見た

夕陽を

静かに哀しげに眺めていた


夕陽は希を溶かしてしまうほど暖かく
癒しを与えてくれる

彼女の好きな時間だった


それを慈狼が見ているとも気付かず
希は涙を流す


海が煌めき
太陽が煌めき

美しい幻想を織り成す中――



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