龍の花――龍希――
『みんなっ
…本当にありがとう』
階段まで走った龍希は
手すりに凭れ掛かり
顔を埋める様に崩れ落ちた
慈狼の支えで下の階に降りた龍希の周りにみんながみんな集まる
「希さんっ」
「俺たちは希さんに救われたんですっ」
「恩を返さないとダメじゃないですか」
「希さん、残っててくれますよね?」
『――――っ!!…うん。当たり前』
目尻に光る滴は
煌めき美しかった
本当に良いヤツらだな
お前たちに辛い思いは…
けしてさせない