龍の花――龍希――
旦那様が幾ら脅しても口を割らないことに苛立った相手は
次に龍希様を撃ちました
こっそりと忍ばせた小型マイクや小型カメラで
我々も暫く調査をし
龍瀬家所有の警備部隊を動かしておりましたが
プロの暗殺者一人相手に成す術も無く
我々は彼らの様子を見ておりました
「い゙たいよぉ…」
「はぁいお子ちゃまは黙りまシュか~?
じゃねぇと口内でこの銃のトリガー
引いちゃっても良いんだよぉ?」
「――ひっ」
「やっ…やめてっ
希はっ
希だけはっ」
「じゃあ奥さん
あっちの部屋行こうか
今日は痛くても良いよね
なんてったって
可愛い娘の為だもんねぇ?」
その日は初めてっ
奥様の断末魔が龍瀬家に響き渡りました
あの日ほど、
あの屋敷が山奥にあったことを恨んだことはありません…