お嬢様でも
今日も学校へ行く準備をする。

「…失礼します」

「あら、歌音じゃない」

歌音というのは、うちの専属メイドの

貴志 歌音(きしかのん)だ。

ちなみに年齢は25。

「お嬢様、お車のご用意がすみました」

「……いいわ。今日は歩いて行く」

「え…でも」「大丈夫よ。

ちゃんとケータイ持ってるし、

お父様が私のGPSを持ってるから」

「…そうですか、では、

ご朝食を」

「分かったわ」

階段を降りる。

「………で…に…」

お父様が下でお仕事をなさっている

声が聞こえる。

「次の企画は…美麗」

「あ、すみません、あの…

ご朝食を…」

「あぁ、執事が呼びにくるから

美麗は先に食べてなさい」

「でも…」

「私は仕事中なんだ!!」

「……はい…」

私のお母様は2年前に亡くなった。

お父様はなんども私に謝った。

お母様が亡くなってから

お父様はより一層、仕事に

打ち込むようになった。



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