50音恋愛
【せ】
*世界を敵にまわしても*
「世界を敵にまわしても、俺はお前のことを守る」
きゃー!!なんてカッコイイんだろう。
私もこんな事言われてみたいよ!!
ベタな漫画を持ちながらキャーキャと叫ぶ私。
その漫画を取り上げて、
「うわっ、まじねぇわ」
とひきつった顔をしたのは、いつも私にちょっかいばっかり出してくるクラスメ―トだ。
「ちょっと、返してよ!」
どうせこいつには私の気持ちが分からないからね。
そう思って取り上げた漫画を手からすべらせ、
気のお強い女子グループの所にうっかり飛ばしてしまった。
やば……。
なんて慌ててとりにいくと案の条
「うっわ、何これきもー」
「こんなベタな展開さすがに引くよね」
大好きな漫画をけなされて泣きそうになった。
すると、
「おいっ!お前ら、返せよ。
人の好きなもんは人の自由だろ」
さっきまじねぇわって言ったくせに戻ってきて、私の漫画を取り返してくれた。
「あ、ありがと……」
「せ……世界を敵にまわしても、お、俺はお前のことを守る
恥ずいんだよバーカ!」
やばい、最高にカッコイイなんて思ってしまった。