50音恋愛
【も】
*もっと*
俺は健全な高校生、男だ。
もう一度言う、俺は健全な、高校生男だ。
「ねぇ、今日家行ってもいい?」
「お、おう……」
彼女は少しばかり、無防備。
彼氏の家に行っても、友達みたいに仲良く遊んで
夜遅くなる前に帰るのが普通だと思っている。
分かっては、いる。
分かってはいるんだけど……。
「あー、またゲーム負けちゃった……」
「距離、近くねーか?」
彼女が肩が俺の肩に触れている。
というより、寄りかかってる?
なんて、チラッとみたら目があった。
分かってる、大事にしたい。
けれども、俺は健全な高校生なわけで……。
目が合って、視線を逸らしてくれなきゃ当然そうなるわけで
俺は彼女のアゴを持ち上げキスをした。
「ん……っ」
とか、少しエロい声を出すので、
自分を抑えるために離れると
「もっと……」
なんて言うもんだから、どうなったかは言うまでもないだろう。
だって、俺は健全な高校生男、だからだ。