50音恋愛
【く】
*雲*
私は屋上で一人呟いた。
「雲になりたい……。」
学校で友達が出来ない。
それどころか、ハブられている。
そんな現実が嫌になってふわふわと浮かぶ、
雲になれたらいいのにと思った。
「お前って変なやつだな」
私の呟きに、返事なんか返ってくるはずないし、必要ないのに
なぜか、言葉が返ってきた。
屋上のフェンスを掴んでる私の横に彼はきた。
名前は知らない人
「だって、雲になったら
誰かを喜ばす事、出来ないぜ
雨降らすんだもん、困るじゃん?」
なんだ。それ。
私より、よっぽど変なやつ。
だけど……。
「じゃあ、まだ人間でいいや」
変なやつな私は
もう少し、人を喜ばすことをしたいと思った。