女神の纏足



歪んだままの顔に静かに近づき唇を寄せる


少しでも楽になれるように、願いを込めて



「マリア」


彼の瞳に映る熱情に気付いた時にはもう遅くて


「ん」


触れ合うだけだった唇を深く奪われる



逃れようとするもそこに逃げ場はなくて、


溺れていくのが分かる






"好き"




「ゆに、様」


沈んで、沈んで、



「いい?」



呑み込まれる


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