女神の纏足


疲れ果て、深い眠りに誘われる中、



私を包む力が強くなったことに気づく


「ん」


気づいても瞼は上がらず、意識も朦朧としていく



「最後まで本当の名を教えてはくれなかったな」


温かい、それでいてどこか悲しい声


なまえ?



わたしの、名前は、



「…モ、ネ」


声を出すことすら億劫で、



「そうか、おやすみ。」



"アネモネ"


彼の柔い声が聞こえた気がした



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