女神の纏足


その後すぐにユニが帰ってきた



抱きあう俺達を目に入れた瞬間、真紅に染まるユニの瞳


見てしまった俺はすぐさま腕の中にいたマリア様から離れる


すると、部屋を見渡し冷静さを取り戻したようでいつもの黒い瞳に戻っていく



しかし俺にくっつくマリア様に恐ろしいほどの殺気を出してくる



…その恐ろしい雰囲気のせいで俺に隠れてるんだけどな



「マリア様、少し隣の部屋で待っていてくれませんか?」


「…」


不安げな顔をこちらに向ける



「片付けはユニ様とします。貴女はもう旅支度を始めなければ。」


「けど、」


「早く」


急かして不満気なマリア様を外へ出した



ガチャン


扉が閉まる音の後に不機嫌なユニが口を開いた

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