女神の纏足
「別に隠しているわけではない」
穏やかに話すユニ様
「しかし、外にいることを知るのは一部なんだ。疑ったラウを許してやってほしい。」
「…はい」
元々、ラウ様を責めてなどいない
「まぁあれだけ抱きついていたんだ、責めてはいないだろうけど」
「…」
ボソッとつぶやかれた嫌味は聞かなかったことにする
「まぁそれはいい。それより私の名を知ってる?」
「…ユニシス・ルシファー、様?」
「そ、ユニって愛称だけで王子を連想する人は少ない。だから偽名も使っていない。それにあまり名乗らないしね。」
分かりそうなものだけど…
固定概念
正しくこれだろう
王子がここにいるはずがない、と脳内で判断している
「あ、だからここでは私の名前を大きな声で呼んではいけないよ。ここは王宮に近すぎるからね。」
確かにランダに入るとき、ラウ様に注意された
"いいですか、ランダに入ったらフードは必ず付けていてください。それから会話では極力名前を出さないようにしてください。"