女神の纏足


「別に隠しているわけではない」


穏やかに話すユニ様


「しかし、外にいることを知るのは一部なんだ。疑ったラウを許してやってほしい。」


「…はい」


元々、ラウ様を責めてなどいない


「まぁあれだけ抱きついていたんだ、責めてはいないだろうけど」


「…」

ボソッとつぶやかれた嫌味は聞かなかったことにする


「まぁそれはいい。それより私の名を知ってる?」


「…ユニシス・ルシファー、様?」


「そ、ユニって愛称だけで王子を連想する人は少ない。だから偽名も使っていない。それにあまり名乗らないしね。」


分かりそうなものだけど…


固定概念

正しくこれだろう

王子がここにいるはずがない、と脳内で判断している



「あ、だからここでは私の名前を大きな声で呼んではいけないよ。ここは王宮に近すぎるからね。」



確かにランダに入るとき、ラウ様に注意された


"いいですか、ランダに入ったらフードは必ず付けていてください。それから会話では極力名前を出さないようにしてください。"

 
< 148 / 332 >

この作品をシェア

pagetop