女神の纏足


違うとは思うのに、


心臓が嫌な音を立てる



「…」


「そうか」


ふわりと、いい香りと温もりに覆われる


頭をポンポンと撫でられれば、襲ってくる大きな不安



お父様の名は確かにラオス



けれど、レヴィアタンなんて…


ルシファー家に続く名門中の名門


家はそんな名家ではなかった



確かに土地と屋敷だけは無駄に広かった


だけど人も寄り付かなくて、従業員も数人しか居ない


使う部屋以外は手が回らなくて、ホコリと蜘蛛の巣に塗れた辺境のボロ屋敷というに相応しい出で立ちだった


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