女神の纏足


「マリア、本当に行くのか?」


眉を潜めるユニ様は一体何をそんなに心配しているのだろう


ここまで何度も引き留めようとするユニ様に疑念をいだかざるおえない



「…はい」


けれど父様の無事を知りたいし、


なにより王都は安全な場所のはず





"何かあったら王都に行きなさい"


"何かって?"


"そうだな…例えば私がいなくなったりしたら、かな"


"え!お父様居なくなってしまうの?"


"ああ、違うぞ?いないときに何か起きたりするかもしれないだろ?まぁそういうときは王宮に訪ねなさい。"


"どうして?"


"私がこの城に居ないとすれば、王宮しかあり得ないからね"



鮮明に甦る父様の声

恋しい、唯一の存在

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