女神の纏足


「もう夕刻だ。行くか?」


「…はい」


ユニ様との別れは苦しい


けれどそれ以上にお父様に会いたい


お父様にお会いすれば、こんな悲しみも消えるだろう



「無理はするな」


「はい」


じっと見つめられ、その顔を見返す


絡む視線はやっぱり鼓動を速くさせる



暖かい温もりに包まれたと思ったら


「…ユニ様?」

痛いくらいに抱きすくめられる





「…行くな」



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