女神の纏足


「こちらこそ御免なさい。今のは私の言い方が悪かったので。」


「いえ」


不審に思ってるに違いない。昨日はあれほど気を乱していながら何故今日はこんなにも冷静なのかと。


分からないなんて嘘。本当は自身でどうしてか分かってる。



「ユニ様が、一度だけ仰ってたことがありました」


「ユニが…?」


ああ、ユニに戻ってますよ。ラウ様。



「もし、義理の母に家督を譲れと言われたら、と…」


「…ユニ、様が」


それはユニ様を思い悩む顔。私には分かる。ラウ様の揺れ動く瞳はどこかユニ様を求めてる

< 167 / 332 >

この作品をシェア

pagetop