女神の纏足


ほら、ね

人は、無自覚に人の心に傷をつける





純血種の親は純血種


私が純血種ならば、私の父は純血種


私の父が純血種ならば、死んだラオス・レヴィアタンは私の父



ほら、ね


気づかないふりをしていた真実を人は平気な顔をして突き付ける




「…ふふ、」


もう、調べる必要なんてないじゃない






だって父は、


――――死んだんでしょ?






「マリア様?」


「……」


何も答える気になれない


今口を開けば、私はまたイヤな子になってしまうから


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