女神の纏足


「とう、さま…」


呼んだって返事が来ないことは分かってるのに、私の声だけが響き渡るこの部屋に虚しさを感じる




お父様は、もういないのよ?


もう、誰も助けてなんかはくれないわ?


私は、一人で生きていくの?


いっそのこと、死んでしまいたい




そんなことを考えている時だった


コンコン、とドアがノックされる




「入っていい?」



ドアの向こうから聞こえるのは…



ユニ、様?


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