女神の纏足



頬を伝う感覚に目を冷ます


視界には綺麗な天井が広がる



「ゆめ…」


怖くて、苦しい夢だった


本当に夢なのだろうか

もしあれが現実なら?



私は、生きていけるのかな





コンコンコン、とノック音が響き渡る



「マリア様、入ってよろしいですか?」


続いて聞こえてきたのはラウ様の声



「…どうぞ」


失礼します、という言葉と同時にドアが開かれラウ様が姿を表す




洗礼されたそのお姿は、夢の中と何一つ変わらない


その変わらなさにゾッとするほど



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