女神の纏足


横にいる私には中の様子は見えない



「入りなさい。私はもう出ます。」


「いえ、私は出直しますので。夫婦水入らずで…」


夫婦?


もしかしてここにいるのは、



「お連れの方がいるのでしょう。待たせるわけにはいきませんし。」


その言葉に、ラウ様は私をちらっと見る


そして、入ることにしたらしい



「中へどうぞ」


丁寧にドアを持っていてくれる





一歩を踏み出せば、緊張が走る



この中に居るのは


ユルの母で、


ユニ様を苦しめる、



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