女神の纏足



「マリア様?」


ラウ様に呼ばれてはっと我に返る



「あ…マリア、と申します。」



ラニア様を見て言えば、彼女は眉ひとつ動かさず私を見つめていた




「何所の家のお方?」


「それは、分かりません…。ですから今から調べるつもりです。」



ラウ様が答えるとラニア様の表情が一瞬崩れる



「私はマリア様にお聞きしたのですが…。まあいいです。ならば、ここへの入室は許可出来ません、身元が分からない者を今の陛下と引き合わせる事は出来ませんから。」



それを聞いたラウ様が何か言いたげに口を開く。しかしラニア様が私だけを見つめて話すので、ぐっとこらえて口を噤むのが見えた。




「分かりました。では、出直させて頂きます。」


私はラウ様の腕を離れ、精一杯の笑顔を作り一礼した





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