女神の纏足


「嬢ちゃん名前は?」


「マリア、と申します…」



何やら不躾な視線を送ってくるベル様にいやな気分になる


「私の顔に、何か…?」



「ほほほ。いやいや、別嬪さんだなと見惚れとったわ。」


嘘、そんな視線じゃなかった。



「で、今日はなんの用かな?」


ニヤニヤと笑いながら座っている椅子でクルクル回るベル様の問いに答えたのはラウ様。



「実はこの方について調べてほしいんですが、」


「ほほーう。何をだ?」



「…出生について。」

ラウ様は一瞬ためらい告げる。




するとベル様を乗せた椅子がピタッと回るのを止めた。


何かを探るようにこちらを見た後、またクルクルと回りだすベル様。




「出生。親が分からないのかそこのお嬢ちゃんは。」


「…」


「今までは?何処で、誰と、一緒にいたんだ?」



本当に分からないのか?と言いたげな彼。


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