女神の纏足
「よし、映すぞ。」
そういってベル様、そしてそれに続きラウ様が甕の中の水が見えるところまで移動する。
いまだ熱いままの私と甕。
それでもさっきよりはだいぶましになった意識を水に移す。
何かを言って甕にベル様が触れた瞬間水の中に映像が映り始めた。
「これは…」
その映像に目を見開いたのは私ではなく、ラウ様だった。
映し出されたのは上から見下ろすようにこちらを見つめるお父様。
そして…
ベッドに横たわる一人の女性だった。
生気のないその女性はこちらを見つめて、
泣いていた。