女神の纏足
たぶんこれは私が見ていた映像。
赤子のときの、お父様に抱かれている私の目に映るもの。
初めて見た母の姿に、思っていたよりずっと何も感じることはなかった。
ただ、ああこの人が父の愛した人なのだと、思った。
「ラオス公…」
だがラウ様は違ったらしい。
明らかに動揺している。
「ベル、様…?」
ラウ様がベル様を見つめる。
まるで、答えを求める子供のように。
「そういうこと、だろうな…。」
ベル様は力なく、ラウ様ではなく私を見て笑った。
悲しみとも、同情とも取れるような笑み。