女神の纏足



「血液検査もしてみるが、結果は変わらぬだろう。」



「何を根拠にそんなっ。」


言い切ったベル様にラウ様が苦虫を噛み潰した様な表情で迫る。




ため息を吐いた後、ベル様が静かに言い切った。



「…リノン様とラオスは恋仲じゃった。」


「…え、」



それは、希望を打ち砕く独白。




「知る者は少ない。とうの昔に終わったものだと思ってた。」



私を見て話す ベル様は私を見てはいない。



「まさか、こんな形で続いていたとはな…。」



私の中にいる二人の面影を探している。





「恋仲って…、」


そう口を開いたのはラウ様。



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