女神の纏足



愛する人の邪魔にしかならない。


そんな事実に目元が熱くなっていく。






「…はぁ、お前は成長せんな。」




深いため息の後ベル様は続けた。





「視野が狭すぎる。」



ベル様はまるで魔法使い。



「ユニが大切なのはわかる。傷ついて欲しくないのも、傷つけられて腹が立つのも、な。」



紡ぐ言葉が、自然と流れ込み、



「けど周りをしっかり見なさい。ユニを守ることで、周りを傷つけるのは間違ってる。」



心に浸透する。





ベル様の言葉とともにラウ様が


話し始めて初めて、私を見た。




「ユニはそれを望んでいない。」



その目が見開かれる。


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