女神の纏足
「どうぞ。」
私を招き入れたラニア様は向かいの椅子に座るようにと私を促す。
「…失礼します。」
椅子に腰かけた私は自然とラニア様と向き合う形になる。
「ラウは連れてこなかったのですね。」
数日ぶりに聞いた鈴のような声が誰も居ない部屋に響き渡る。
「ラウ様には黙って来ました。二人で、話がしたかったので…。」
「そう…私もです。」
拍子抜けだった。
正直またあの嫌悪の目で見られるのではないかとビクビクしていたので、静かに見つめられて肩の力が抜ける。
「で。分かったのでしょう?」
単刀直入なラニア様に感謝する。
どう切り出そうか迷っていたので、切り出す手間が省けた。
「はい。私の父はラオス・レヴィアタン。母は、」
ここからが、
「マリン・アラストルです。」
本題。