女神の纏足



「誰にも言うつもりはありません。」



彼女は躊躇うことなくそう言い放つ。




「え、」


その躊躇いのなさにこちらが戸惑ってしまう。





「だって…」



「ふ、ラウが何か言ったのですか?」




ピンポイントで言い当てられてしまいさらに戸惑う。


しかも、笑っているのを初めて見た…。




「そうですね。これを公言すればユニを蹴落とすのは楽になるかもしれないですね。」




″蹴落とす″


綺麗な声と口調に似合わない言葉が自然と紡がれたことにぞっとする。



でもね、とさらにラニア様は続ける。




「それ以上にゲイン様の名誉が傷つくことになります。」



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