女神の纏足







廊下を一人歩きながら先ほどラニア様に言われた意味を考える。




″似てるけど、似てないわ″




それはどっちなのだろうか。


似てるの?似てないの?



どっちつかずの言葉がさらに私の頭を悩ませる。


こんなことなら聞くんじゃなかった!







後悔しながら開けた部屋の扉。



そして扉の向こうで私はさらに後悔することになる。





「お帰り。マリア。」







部屋に備え付けられたソファーに座る、金髪の彼。




久しぶりに見た顔は相変わらず怖いくらいに綺麗で、



その甘い微笑みに息も忘れる。






会いたくて、会いたくて、



でもきっと、





「ユニ、様…」





会うべきではない人。




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