女神の纏足



少し冷静になって気づく。



私は傷つけられたことを傷つけることで返したんだ。




人の弱さを受け止められるほど大きな人間じゃない。


弱い自分への自己嫌悪。




「…夜会まで、」


「え?」


「夜会までに自分の置かれた状況を把握します。だからそれまで、」


「…」


「それまで待っていただけないですか?」



ラウ様はただ頷いた。




それからすぐに部屋を出ていくラウ様。


< 269 / 332 >

この作品をシェア

pagetop