女神の纏足



「あ、」


ポトリ、と雫が絨毯に吸い込まれる。



私、泣いてるんだ…。



「やだっ」


何泣いてるんだろう。




分からないけど頭の中も胸の中もグチャグチャで、


体を支えていた力が抜けていく。




幸せで、幸せで。


幸せから突き落とされた時の不幸はまるで底なしの地獄だ。



アリス様に呼ばれて出て行ってしまったユニ様。


もともと分かっていたのに、優先順位を見せつけられた。



期限をつけなくては離れられない気がした。


だから自分で"夜会まで"と期限をつけた。


なのに、その期限にすら悲しくなってる自分がいる。


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