女神の纏足



「それ以上言わないほうがいいよ。」


「え、」


「言いたいこと当ててあげよっか?女神なんて名ばかりの生贄、でしょ?」



クスクスという笑い方はどことなくユニ様に似ている。



一方私は、考えていたことを当てられて言葉に詰まる。




「兄さんの前で絶対言っちゃダメだからね?喋っても貰えなくなるかもよ?」



「喋っても、って…。」


私は意味が分からなくてユルの説明を待つしかない。




「なんでって顔してるね。教えてほしい?」


ニヤニヤと楽しそうに笑うユル。



…なんて意地の悪い



「嘘だよ。そんな目で見んなって。」



視線で説明を促すとやれやれと言った感じでやっと口を開く。




「兄さんは女神信者だからね。」


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