女神の纏足



少しして瞠目から意識を取り戻したユルは、


「…誰に?」


一度口を閉じた後、そう口にした。




「ユニ様…ううん。誰にも、よ。」



ユルは私の目を見て続ける。



「どうして?」


「どうして?おかしな質問。」



そんなこと聞かれるとは思てなかった。


ラニア様もベル様も、ラウ様でさえ言わないこと。



「秘密だからよ。」


守り抜くべき秘密だから。



なのにどうしてラニア様はユルに言ってしまったのだろう。


自分の子供だから?


ラニア様からすれば、ユルは知っていた方が都合はいいのかもしれないが…。


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